いや、帰省中の私。
雪に埋もれた厳寒の北国から、いきなり20度まで上がった(珍しいけど)首都圏の空の下へ。
日本も広いものだ。
いわゆる帰省ラッシュなどというものとは逆方向への帰路。
全国的に晴れた日本の上半身を上空から眺めていた。
なだらかな山の谷にスジ状に町があり、牧草地が広くて白の面積が多い北海道。
大雪山がちょっと溶けたソフトクリームのようだった。
道南にくると、富士山そっくりの羊蹄山が、小さな雲の塊から頭を出していた。
意外と広い津軽海峡を越えると、下北半島とその左側の半島(なんていうんだ?)が一望できる。
本州に入ると突然、山がとげとげしく険しくなる。
白い部分はみんなほぼ正方形で、それだけ田んぼが多いことが分かる。
町は、谷に沿ってというよりは、川が作った扇状地に堆積物のように(例えは悪いが)広がっている。
東北の真ん中を貫く山脈(奥羽山脈?)を境に、はっきり雪の多い少ないが分かれている。
仙台には雪はなく、その反対側の秋田は真っ白になっているのが分かる。
関東上空で寝てしまい、気が付いたら千葉のマンション群の上にいた。
そこからはもう、にごった空と工業地帯しか見えない。
あぁ…帰ってきちゃったなぁ…。
紋別空港では、牧草地しかないのにどこに降りるんだ?と思ったが、
羽田空港では、工場と海しかないのにどこに降りるんだ?と思った。
紋別空港には、飛行機は一機しかなかった。
羽田空港には、うじゃうじゃ飛行機がいる。
紋別空港では、牛のにおいがしたことがあった。
羽田空港では、排気ガスのにおいしかしない。
まだ枯葉が残る木が不思議な感じがした。
月が出てもまぶしくないし、晴れていても星はまばらだし、雨が降るから傘が必要だし。
あぁ…こんなにも違うんだなぁ…。
でもやっぱりここが地元なんだなぁ。