それは、ヨーグルト作り。
実家で長年作り続けられているカスピ海ヨーグルト。
それをタネ菌として、小瓶に入れて持って行った。
農家さんからいただいた牛乳を沸かし、冷ましてからタネ菌を投入。
常温で放置しておけば、半日〜1日で、新しいヨーグルトができる。
それを毎日、朝ごはんとして食べる。
なくなったら、また新しく作る。
7月からは、さらにいろいろなものが加わった。
そのときの農家さん宅では、パイプラインとバルククーラー(牛乳を冷やすタンク)の間のホースに、残乳がかなりあった。
その量、およそ2リットル。
搾乳するごとに2リットルだから、1日4リットル。
バケツなどでバルクに入れるという方法もあったが、生菌数が上がるのを嫌って、やっていなかった。
子牛に飲ませるということもまれにあったが、初乳で足りてしまうことが多かった。
(子牛を育成牧場に預けてしまっているので、家には1、2頭しかいない)
つまり、廃棄されてしまっていたのだ。
そーれーはーーーんもったいない!!
ということで、しょっちゅうしょっちゅうその牛乳をいただいていって、せっせと加工品を作っていた。
まず、いただいてきた牛乳を沸かし、粗熱をとってそのまま冷蔵庫で静置。
半日ほどすると、上にクリームが分離してくる。
そのクリームだけをすくって、大きめのビンに入れ、保冷剤をあてがいながら、振る。
ひたすら振る振る振る。
すると泡立って、音がしなくなってくる。
それを、さらに振る振る振る。
あるとき突然びしゃびしゃびしゃっと音がして、よく見てみるとバターができて固まり、水分と分離している。
それを数回水で洗って、水を切りながら練る。
ほい、手作り無塩バターのできあがり。
次。
うわずみをとった後の牛乳は、少し脂肪分の少ないヨーグルトに。
しかしこのヨーグルト、毎回1.7リットルくらいできる。
さすがに全部は食べ切れない。
そこで、ザルにガーゼを敷き、そこにヨーグルトを投入。
そのまま冷蔵庫で3日。
量が1/3くらいになるまで水が切れたら、なんちゃってクリームチーズのできあがり。
そのときに出た水分は、乳清といってとても栄養のある水なので…。
利用できたらよかったなぁ。
そこまでは、手が回らなかった。
さらに初乳をいただいたら、お酢を入れて牛乳豆腐に。
レモン汁を入れてカッテージチーズに。
(牛乳豆腐とカッテージチーズは同じか?)
そのときに出るホエー(水分)は、甘くして飲んでみた。
これはおいしかった。
さすがに全部は飲めなかったが…。
その時に作ったものは、(ヨーグルト以外)冷凍して実家に持ち帰った。
バターは、ガーリックバターにしてフランスパンに塗り、軽くトースト。
美味!
なんちゃってクリームチーズは、ドレッシングに。
なかなかいける!
チーズケーキもいいんじゃないかな。
カッテージチーズも、サラダとか、お菓子に使えそうだ。
思えば、とても、大変、かなり、すっごく、贅沢な日々であった。
今、牛乳を買うのが、ちょっとくやしい…(笑)

モデル:W牧場の牛のあご裏