2007年11月03日

牛乳とカビの香りの中で

そういえば、これは「思い出し日記」だった。

北海道にいた頃、私の数少ない趣味のひとつとして、
チーズ屋巡りをよくした。

中でもお気に入りだったのは、
下川町のフロマジェリしもかわ
興部町のアドナイ
浜中町の大友チーズ工房
白糠町の白糠酪恵舎
中札内村の十勝野フロマージュ
など。

北海道産のチーズは、輸入物のそれと比較すると、
気候風土や好みのせいもあるのか、
クセが少なく食べやすい。
もっと個性が強くてもいいかな…と思うこともあったが。

なにより作り手が見えること、その土地で生まれ、その土地の草を食べた、その土地の牛の乳から作られ、その土地で生産し、その土地で熟成したチーズを、その土地で食べる…という、最高の贅沢をさせてもらった。

実家に帰ってしまってからは、なかなか道産チーズが買えるような店は無く、少し寂しい。
そのかわり、輸入チーズを売っている店なら、いくらでもある。
そんな店を見かけるたびに、少しずつ買っていって、ちびちび食べるというのが、小さな贅沢になっていた。

ところで、8月の末に十勝に遊びに行ったとき、
帯広の屋台村の近くで、ラクレットやチーズの盛り合わせを食べた。
そこのご主人が「東京に戻るのなら、いい店があるから行ってごらん」と、ある店を紹介してくれた。
帰京後、さっそく行ってみたら、珍しく店頭で切り売りをしてくれる店であった。
帯広の店で気に入ったチーズと同種のものを100gだけ買ったが、それがまたなんともおいしかった。

そして10月始めにドイツへ行ったときのこと。
少し大きなスーパーならほぼ例外なく、チーズのカット売りコーナーがある。
ドイツ国内はもちろん、フランスやイタリアなど、様々な種類のチーズが、ずらりと並んでいる。
EUになったおかげで、輸入も盛んなのだろうか、とにかくなんでも安い。
最近はユーロが高く、なんでもかんでも日本と比べて高価なのだが、チーズだけは違った(あとビールもだ)。
200グラムのブリーが1ユーロしない。
(それがまた、とにかくおいしかった)
日本で買ったら、その3倍はするだろう。
その売り場の光景とにおいは、幼い頃に感じたものだったこともあり、なんとも懐かしく、また心地よかった。

さらに、10月中旬に仕事で帯広に行ったとき、先述の店でふたたびラクレットとチーズの盛り合わせをいただく。
同席していた人がその味に感動していた。

よく考えてみれば、私の中でチーズに関する記憶は、幸せなものばかりである。

このころから、私の中でひとつの決心が生まれた。
思い立ったが即行動。
私の唯一の得意ワザである。
情報収集および問い合わせ、行って会って話して待って…。

ついに昨日、東京の某チーズ販売および卸しの会社で働きだした。
一日中、ミルクとカビの香りがする中、忙しく動き回る。
休憩時間には、端切れを食べさせてもらう。
なんだか幸せな時間だ。

我ながら、よくここまで職種を飛躍させたもんだと思う。
しかし、全ては根っこでつながっている。
今後、それらがどう絡み合って発展していくのか、けっこう楽しみにしている。

「思い出し日記」が、「チーズ屋裏方職員の修行日記」になる日も近いか!?

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モデル:I牧場の子ブラウンスイスちゃん
posted by ヨーコ at 13:30| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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